ごろう’s diary

よっこいしょっ、と

ADHDと診断されるまでの話 〜初診〜


前回、発達障害メンタルクリニックにかかるようになった話を少ししたので、今回はもう少し詳しく、発達障害(ADHD)であると診断されるまでの経緯などを書いていきたいと思います。


まず、クリニックへは事前に初診であることを伝えて、予約を取って行きました。予約する際に、発達障害の疑いがあるので診てほしいということは伝えていなかったと思います。ただ、初診の場合は1〜2時間ほど時間を頂きますということを事前に聞かされていたので、有休を取っていた日に受診しました。


普通の病院と同じく、病院についてからカルテを記載します。発達障害の疑いがあり、現在大学院を無双留年中である旨を書いて看護師さんに提出したところ、ちょっとしたテストのような更なるペーパーワークを数個こなすことになりました。内容はネットに転がっているようなIQテストや、うつ病などの精神疾患のチェックテスト、発達障害のチェックテストといったものでした。

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私と同じような発達障害の人には共感してもらえるかと思いますが、初診で様々なペーパーワークを最後までこなすのが大変苦痛でした…笑

 


ペーパーワークを終えた後、いよいよ担当の医師と対面します。

このタイミングが先生との初対面だったのですが、前回少しネタバレ?をした通り、私がホームページで事前に確認していた先生ではなく、マッシュヘアにゆるいパーマを当てた若めのチャラ医師(初診時の第一印象です)が出てきて面食らってしまいました。


この時わたしは、オイオイ…美容外科でバイトしてそうな医者出てきたけど私の修士論文ダイジョブそ?!!:;(∩´ᵒ̴̶̷̣̥̀۝ᵒ̴̶̷̣̥̀ `∩);:などと大変失礼なことを考えていました。

しかし、本はカバーで判断するべからず。国立大医学部を卒業された後、閉鎖病棟のある病院での勤務など、立派な経歴を持つ先生でした。

 


こういう症状があって生活に支障が出ていること、こういう症状によって教授からの信頼を失いつつあり関係が悪化していること、それでも何とか次の1月までに論文を完成させる必要があることなどを全て話しました。

答えにくいことは無理に答える必要はないですからね、ということを初めに言われていましたが、短い期間の中で治療を最も効率的に進めてもらうためには、答えにくいなどと言っている場合ではないと考え、先生からの質問には全て答えました。

論文が書けず2留していることや、指導教授との関係が悪化し匙を投げられそうになっていることなどについて、本当に情けなく思っていたので、回答している途中で感情が抑えられなくなり、気がつくと泣いてしまっていました。


話を聞いてもらった後、なるほど確かに生活に支障がありそうだし、時間もあまりないので早速今日から治療を始めましょうという話になりました。治療は薬物治療が中心で、ひとまずストラテラという薬を処方しますので、今日から服用を開始して1週間後にまた様子を見せに来てくださいとのこと。

それから、帰る前に血液検査を行ってもらいますと伝えられます。というのも、甲状腺ホルモンがバンバンに出ていると、ADHDのような症状が出ることがあるため、ほかの病気がないか調べる必要があるようです。(このように他の病気が潜んでいる可能性もあるので、自分は発達障害ではないかと考えている人は、ネットの自己診断で勝手に納得せず、受診される方が良いと個人的には思います。)

 


調剤薬局で薬を受け取った後、すぐにもらった薬(ストラテラ)を服用しました。薬物治療スタートです。

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服用してから1時間くらい経った後に、いつも通り地下鉄に乗り家に帰りましたが、ここで早くも薬の効果を感じました。

いつも通るよく見慣れた道ですが、普段より明らかに視界が広く鮮明で、遠くまで見えるようになっています。なんなら今まで気が付いていなかった看板や店の存在まで確認しました。

普段私が見ていた景色と、定型発達の人が見ている景色はこんなにも違ったのかと軽くショックを受けました。

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薬が効いたことで、ああ、やっぱり自分は発達障害だったんだ…と今まで"普通のこと"が他の人と同じようにできなかったことに納得がいきました。同時に、これから"発達障害"として生きていく人生についての不安や、もっと早い段階で病院にかかっていれば、しなくていい苦労が減ったのではないかという気持ちにもなりました。

受診しようがしまいが、私がそういう性質を持って生まれたことが変わるわけではありません。しかし、診断を受けた"発達障害"として生きていくことについては、今もずっと考えている最中で、自分の中で肯定も否定もできていないため、家族や友人や会社などへの報告もまだです。

ですが、受診しなければ修士号を取得することはできなかっただろうということは確かに思いますし、クリニックを受診をして良かったことの一つであります。

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今回は以上です。